藤大(ふじはる)様は京都府亀岡市で電子部品の検査・組立を行う1993年創業の会社。代表の藤田大子さんのもと多くの女性が活躍し、さまざまな企業から厚い信頼を得られています。
ところが2019年、まったくの異業種・フードサービスに参入。意外とも思える方針でしたが、理由をお聞きして腑に落ちました。すべては経営理念に基づいた、人を大切に想う気持ちをカタチにされたのです。
藤大様の業務は精密機械等の検査が多く、視力が重要です。長らく会社を支えてくれた熟練社員の活躍が厳しくなる…そんな時期は必ず訪れます。しかし、いつまでもみんなが楽しく働ける場所でありたい、そうすれば労働意欲にもつながるのではないか。社員の多くが、ものづくりや料理が得意な主婦であることから「飲食店なら実現性が高まるのでは」と藤田さんが考案。年齢に関係なく、みんなが元気に働けるお店は、全員の賛同を得て国民食である「カレー」を提供することになりました。
亀岡の地でお店を始めるなら、地域の人たちに足を運んでほしい。そして、子どもから年配の方までが楽しめるカレーにしたい。「お母さんが家で作ってくれるような親しみのある味」を目指して、プロジェクトメンバーによる試行錯誤は続きます。地産地消にこだわり、なるべく地元の安心安全な食材だけで作る。環境保全や地域社会への調和を掲げられている藤大様は、カレーづくりにあたってもこの部分をとても大切にされています。
スパイスを使ってイチからカレーをつくることは、一筋縄ではいきません。ある時は北海道までスープカレーを食べに行き、またある時は人気飲食店オーナーにアドバイス求め、ついにはカレーやスパイスを研究する京大カレー部にも話を聞きに行かれました。研究と試作を重ね一年の月日が流れたころ、ようやく「京FUJIHARUカレー」の肉と野菜の甘み、旨みを凝縮したカレーが完成したのです。
「全従業員の、物心両面の“幸福”を追求すること」をモットーにされる藤大様にとって、新事業のカレーショップは働き方改革の一つです。メニュー開発から内装まで、社員が積極的にかかわり、みんなで作り上げられたことにも意義があると思います。京都市内まで足を運ばなくても楽しめる亀岡のカフェは、地元の若い世代の待望。みんなが笑顔になれる場所づくりが、藤大様の雇用促進、社員の労働意欲にもつながり、さらに亀岡の人々が集える場所をつくることで、地域の活性化にも役立っています。藤田さんには、まだまだ亀岡を元気にするビジョンがあるそう。藤大様と亀岡の未来が楽しみです。
PROFILE
株式会社藤大
1993年の創立以来、京都府亀岡市を拠点に顕微鏡・目視による外観検査、各種電子関連部品・ユニット部品組み立て及び特性検査などを行ない、「電子部品の検査・組立」の技術で信頼の実績を積み重ねられています。2019年12月、地域に根ざしコミュニティースペースとしても使用できる場所として「京FUJIHARUカレー」を亀岡市JR並河駅近くにオープンされました。
INFO
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