目立たない自然な入れ歯「スマイルデンチャー」や、美しく高品質な歯科技工物をつくる三和デンタル様。代表の菅沼佳一郎さんが1982年に起こした歯科技工所が、今では歯科技工の総合ラボとして口腔にまつわる悩みや業界の問題点などに次々と挑まれています。

 

一つは、歯科技工のデジタル化です。労働環境の悪さから離職率が高い歯科技工士業界では、歯科技工士不足が深刻化しています。現在、三和デンタル様ではCAD/CAM3Dプリンター、スキャナーなどを導入して職人技との融合を実現。製作工程の効率化を図りながらやりがいの持てる環境をつくり、迅速に高品質なものを安定供給できるようにされました。

さらに、自社で得た経験とノウハウを活かして、中小規模の技工所に向けて模型スキャナーの販売もスタート。歯科技工士の在宅ワークや待遇改善、歯科技工物の品質および供給の安定化を模索し、業界全体を盛り上げ、歯科医療の向上にも貢献されています。

 

いちはやく中国の技工所と業務提携をしていた三和デンタル様は、2015年にタイに自社ラボを設立。現地スタッフを孤児院出身者から積極的に採用し、本社から出向したスタッフがイチから技術を教えられています。教育は技術だけではありません。社是や仕事に対する向き合い方などすべて本社と同じように教育され、人間力をも高めた現地スタッフが今では一人前に成長。ラボの中心となって活躍しているのです。

 

菅沼さんの経営戦略として「タイをアジアマーケットの中心と位置づけ、made by SANWAブランドを確立する」ことは明確です。しかし、その根底には就労機会に恵まれないタイの若者が技工技術を修得し、技術力と人間力で自立してほしいという、熱く、強い想いがあります。これが実を結び、タイで育った三和デンタル様の技術力はやがて東アジアの技術力となり、世界で活躍する日はそう遠くないのではないでしょうか。

タイの社屋には寮や食堂を備え、菅沼さんも現地ではスタッフと寝食を共にするそうです。一緒に過ごすことで皆の心が一つにつながり、理念を共有できているのも強みだと思います。

 

三和デンタル様は、ほかにも歯科医院向けのセミナーの実施やネットワークを活かして口腔がんの早期発見システムを構築するなど、技工所の枠に留まらない取り組みをされています。つくる人、売る人、使う人、すべて善しの精神で、次はどんなチャレンジをされるのか。技術者ではない菅沼さんならではの発想と行動力で、“笑顔になれる楽しさ”を、国内外に広げていかれるに違いありません。

PROFILE

株式会社三和デンタル

株式会社三和デンタル

「噛めることは生きる源・美しい歯は笑顔の源」をモットーとする歯科技工所。業界トップシェアを誇る審美性の高い義歯「スマイルデンチャー」をはじめ、「人前で思いっきり笑える」、「しっかり噛んで食べられる」補綴物を手がけ、常識に囚われないアイデアで口腔内の健康に貢献されています。

INFO

WEB

https://sanwa-dental.jp